KOICHIRO COFFEE

珈琲屋がつくるプリン——「直火湯煎」と「素材」が生む至福の一品

KOICHIRO COFFEE

KOICHIRO COFFEEは、自家焙煎の豆と丁寧に抽出するハンドドリップにこだわったカフェです。ここでは、コーヒーの奥深い世界を楽しむためのアイデアや、皆様の疑問にお答えします。一杯のコーヒーがもたらす、至福のひとときを一緒に楽しみましょう。

KOICHIRO COFFEEは、もともと「KOICHROブレンド」というコーヒーが看板メニューで、一番人気でした。でも、今ではプリンが同じくらい人気を集めています。実はプリンを始めたのは1年半ほど前で、その頃はチーズケーキやスコーンなども少し出していましたが、スイーツの種類は多くなかったんです。近くの好きなケーキ屋さんから卸してもらっていたものの、どうしてもコストがかかる。いつか自分で作らなくては、と思っていました。

長野リサイクルセンターで運命的に出会ったプリンカップ

きっかけは、御代田のリサイクルショップ「長野リサイクルセンター」でプリンのカップを見つけたことです。1個80円くらいだったと思います。「これはいいな」と思って、つい買ってしまいました。

プリン作りのきっかけになった、リサイクルショップで見つけたカップ

実はそれまで、僕自身はあまりプリンを食べていませんでした。でも、料理研究家の方の動画を見よう見まねで作りはじめたら、これが面白かったんですよね。最初は焦げたり、形がぐちゃぐちゃになったり散々でしたけど、失敗を繰り返しながら少しずつ良くしていきました。インスタグラムにアップしていたらフォロワーさんも楽しみにしてくれて、次第にお店でもプリンを目当てに来てくれる方が増えたんです。

焙煎と同じ?直火湯煎で生まれるプリンのおいしさ

お店にある小さいオーブンだとなかなか温度が上がりきらず、きれいに火が通らなかったのが最初の悩みでした。そこで思いついたのが直火湯煎です。鍋にお湯を張って、火加減を直にコントロールする。これがとてもうまくいったんです。

この直火湯煎、珈琲焙煎と似てるなと思ったんです。焙煎も、まずは焙煎機を空焼きして温度を上げるし、仕上がったらすぐ冷やして余熱で深煎りになりすぎないようにします。プリンも同じで、湯煎するお湯の温度をきちんと上げて、焼き上がったらすぐに氷水で冷やさないと色がくすんだり食感が落ちたりする。火加減や温度管理が大事という点で、珈琲とすごく似ているんです。

サイズも違う、味も違う2種類のプリン

プリン好きの方って本当に多いです。「プリンは国民食」なんて声も聞くほどです。素材はシンプルだけど奥が深い。ここも珈琲と似ていますね。うちのプリンは、卵・牛乳・砂糖だけを使っています。

現在はMサイズとLサイズの2種類を出していて、Mサイズはてんさいグラニュー糖を使ったベーシックな甘さ。珈琲と一緒にちょっと甘いものを食べたい、という人やお子さんに人気です。Lサイズは素焚(すだき)糖を使っていて、ほろ苦さが大人向け。味わいもしっかり濃く感じられます。Lサイズを始めたのも、リサイクルショップでデッドストックの耐熱グラスを見つけたのがきっかけです。道具との一期一会から、新しいことを始めることは多いですね。

これからのプリン、そして珈琲への想い

時間や温度の管理はもちろん、仕上がった後の冷やし方まで、ちょっとの違いで味わいが大きく変わる。同じシンプルな素材でも奥深さが無限にあるところは、珈琲とプリンの通じるところだと思います。それが楽しいですね。

どこまで削って自立を保てるか、を評価する指標もあるらしい

これからはもっとプリンを食べ歩いて、自分の中の“プリン経験値”を高めたいですね。その経験を珈琲にも還元できるんじゃないかなって。直火でじっくりと素材を活かす――その楽しさを、これからも探求していきたいと思っています。

一戸 翔太
カフェ経営3年目の新米店主/ハンドドリップコーヒー研究家/絵描き
埼玉県出身、長野県在住。1986年生まれAB型。

店名 : KOICHIRO COFFEE
TEL : 0267-31-0521
営業時間 : 14:00~19:00
定休日 : 月~水曜日 
ペットの入店 : テラス席のみ可