INTERVIEW

豊かな自然に囲まれた御代田で
食×アートによる唯一無二の体験を

THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田 
総支配人 佐藤智博さん
※2022年2月取材時

五感で感じる写真体験や食やライフスタイルが楽しめる複合施設MMoP(モップ)は、雄大な浅間山に抱かれた長野県御代田町の一角にあります。自然豊かなこの土地は、古く江戸時代には街道沿いの宿場町として栄え、近年は移住者が増える人気のエリア。人々をひきつける何か不思議な力があるようです。本企画「around MMoP」では御代田町を中心とした環浅間エリアを舞台に活動するさまざまな方々の声を通して、MMoPをとりまく環境の魅力を紐解いていきます。
第1回は、2021年3月16日、浅間山の山麓にオープンし話題を呼んでいる、“森のグランオーベルジュ”「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」総支配人(※2022年2月取材時)の佐藤智博さんにお話を聞きました。

 

MMoPから車で約10分、やまゆりラインを登った高台に誕生した「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」は6万㎡を超える広大な敷地に9棟のヴィラと28の客室のみ、すべての客室が80㎡以上というゆとりある設計。建物は浅間山を背にすべてが南向き、客室に設けられたテラスからは御代田と佐久平の町と、さらにその向こうにそびえる八ヶ岳、蓼科、北アルプスの山々が一望できます。

「私どもHIRAMATSU HOTELSはこれまで、伊勢志摩 賢島、静岡 熱海、箱根 仙石原、沖縄 宜野座そして、京都と日本全国に展開してまいりましたが、次の開業場所を探していたときに出合ったここ御代田の地はほぼ一目惚れに近いものでした。豊かな自然に囲まれた土地のパワーかもしれません。客室やレストランの大きな窓や広いテラス、外の自然と繋がるような内装は、お客さまに御代田の豊かな自然をより近くに感じていただきたいという私たちの想いを体現したものです」

信州の食材と自然を活かした贅沢な食体験

レストランとしての長い歴史を誇るひらまつが手がける“森のグランオーベルジュ”らしく、御代田の豊かな自然を感じてもらうための食を中心とした体験のバリエーションも豊富です。

ホテルの料理長である柳原章央さんは、ホテル開業の2年前から御代田や信州のさまざまな生産者の元に足を運び、豊かな自然と人の手で丁寧に育まれた数多くの食材の魅力を知ることで創作力も研ぎ澄まされたと言います。そんな柳原料理長の料理は、メインダイニング「Le Grand Lys(ル・グラン・リス)」で味わうことができる。野菜や果物や卵などはもちろん、信州プレミアム牛や佐久鯉など厳選した地のものに、フランスや各地から取りよせた高級食材を合わせたフランス料理も好評。また、料理長の手がけたコース料理を屋外で味わうヴィラ限定「フォレストダイニング」のサービスも自然に恵まれた御代田らしい食の提案と言えます。

メインダイニング「Le Grand Lys」でのディナーの一例。「佐久鯉 さくら」

料理長の手がけた料理を屋外で味わう「フォレストダイニング」。長野産のワインとともに。

「森の中にテーブルセッティングをして本格的なフランス料理が楽しめるサービスはとても好評です。芝生の上に広げる『モーニングバスケット』、焚き火を囲んでゆっくりと飲み物やスープを楽しめる『TAKIBIラウンジ』、そして前述の『フォレストダイニング』など、屋外で御代田の豊かな自然を感じながら食を堪能していただくサービス『Table Nature(ターブル・ナチュール)』は、“森のグランオーベルジュ”のメインディッシュとも言える、特別な食体験です。このように、食を中心とした体験のバリエーションをもっと増やしていきたいと思っています」

「また、7人ものソムリエがいるのも当ホテルの強みですので、近隣のワイナリーさんとコラボレーションするメーカーズディナーは、これからも積極的に行っていきたいと思っています。直近では小諸のマンズワインさん、シャトー・メルシャンさん、テール ド シエルさんなどにご協力いただく予定です」

縄文時代と現代を繋ぐ、ストーリー性のあるアート体験

食とともに「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」滞在のもうひとつの魅力が、アートです。エントランスやロビー、レストラン、廊下、そして全客室とさまざまな場所に展示された、国内外のアーティストによる写真や絵画作品はこのホテルをかたちづくる大切な要素として、訪れる人たちの目を楽しませています。「記憶」をキーワードにしたストーリーによって紡がれたアート作品と共鳴するように、エントランスにはこの敷地内で発見された縄文土器を展示しています。客室にも御代田や青森で出土した土器片がアート作品と一緒に飾られています。これらの縄文土器は、土地の記憶を現在につなぐ、御代田のシンボルです。

 

「客室や館内に展示されたアートに関するお客さまからのご質問も多いので、お客さまには作品の背景や意図を深く理解していただけるよう、作品の解説がまとめられた一冊のアートブックを客室に置いています。上質なアート体験ができる空間で、特別な滞在をご堪能いただけたら」

すべての客室に置かれているアートブック。

「食とともに文化も楽しめる場所でもありたいと、アネックス(別館)一階のライブラリカフェにはアートブックのほか、レコード鑑賞を楽しめる真空管アンプとプレーヤーなどもご用意していますし、今後はサロンコンサートや御代田の歴史を深く知ることができるワークショップなど、文化的なイベントも行えたらいいですね。また、浅間山麓での乗馬や高峰山、黒斑山、水ノ塔でのプライベートトレッキングツアーなど、土地の魅力を体験していただくようなアクティビティもますます充実させていきたいと考えています。たとえば、ガイドブックには載っていない菜の花の群生地のような、地元の人しか知らない魅力的なスポットなどもご案内できたらいいですね。アイデアはどんどん湧いてきますので、少しずつ形にしていきたいと思っています」

 

別館のライブラリーカフェにある、オーディオマニアからの信頼も厚いマッキントッシュのアンプ。

町の方々とともに、御代田を美食とアートの町に

佐藤さんは、今後は町と連携した取り組みも積極的に行っていきたいとのビジョンも持っていると言います。その一端として昨年6月に開催した、御代田町在住者限定のディナーも大好評だった企画のひとつ。

「地域と一緒に取り組めることを町長にもご相談しながら模索しているところです。食ということでは御代田町と料理長の柳原とで取り組む食育プロジェクトは着実に進んでいますし、別館でのコンサートやワークショップなどは御代田町の方々にも是非参加していただけたら。MMoPとも協力して、御代田を美食とアートの町として盛り上げていきたいと思います。町の誇りになるようなホテルを目指していますので、御代田の方々に『うちの町にはHIRAMATSUがあるんだよ!』と言っていただけたら嬉しいですね」

HIRAMATSUブランドをきっかけに、御代田という土地を知るゲストも多く、このホテルは町の新たな玄関口と言っていいかもしれません。

「御代田は、さまざまな可能性を秘めたこれからの場所だと思います。中でもMMoPは、町が発展していくためのハブになることは間違いないでしょう。町の魅力や価値が高まることは、このホテルの価値向上にもつながります。開業して1年ですが、私自身がお客さまから伺うお話も含め、たった1年の間でもこの土地の魅力をかなり深く知ることができたと思っています。ここを訪れた方には、客室やレストランのテラスから、是非、夜景を眺めていただきたい。ただただ自然が豊かというだけではなく、御代田の町の灯りがとても美しいんですよ。町の背景に山々があって、人の暮らしと自然がとても近い。ずっと眺めていたくなります」

施設情報

THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田

住所:〒389-0201 長野県北佐久郡御代田町大字塩野375番地723

TEL.:0267-31-5680(代表) 【予約受付時間】9:00~18:00

階数:地上5階建、ヴィラ 平屋建、アネックス 地上2階建

客室数:37室(本館28室・ヴィラ9棟)

https://www.hiramatsuhotels.com/miyota/

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